館長挨拶
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館長挨拶

2011(平成23)年に創立45周年を迎える山種美術館は、日本初の日本画専門の美術館として開館して以来、さまざまな活動を通して、近代・現代日本画の収集・公開、普及に努めてまいりました。

2009年10月には、美術館を新築・移転し、最新の設備を駆使した「21世紀における日本画の普及」に取り組むべく、新たなスタートをいたしました。設計にあたっては、学芸員と建築家が随時意見交換を行うことで、作品鑑賞に最適な空間を実現し、照明や展示ケースを工夫しました。特に、LEDなどの最新の照明器具の開発には力を注ぎ、作品を優しく包みこむような自然な光環境で心ゆくまでご鑑賞いただけるようにいたしました。ご来館の皆様には日本画独特の季節感、岩絵具や絹、和紙などの素材の魅力に親しく接していただきたいと願っております。また、所蔵品の中から、特に人気の高い作品を定期的に公開する常設展示室を設けました。バリアフリーにも配慮し、高齢者や障害者の施設からの団体鑑賞も受け入れ、新たな時代の美術館を目指しております。

教育普及活動面でも、小学生から社会人までの教育機関と連携して特別鑑賞会や講演会なども行っています。近隣に各国大使館が位置する土地柄から、外国からのお客様も増え、国際的にも日本文化を発信できる美術館となっていければと考えております。

山崎館長写真

当館では、“日常にアートを取り入れる”という観点から、展覧会や季節に合わせたオリジナルグッズ、特製和菓子などのメニューをご用意し、ミュージアムショップ、カフェの充実も図っております。「いま還(かえ)る場所」というコンセプトのもと、ご来館いただいた方が何度でも訪れたくなるような、さらに身近に楽しめる美術館を目指します。皆様が日本文化を堪能し、再発見していただくきっかけとなれば幸いです。

文化や芸術は、人々の心を豊かにすることができます。当館では日本画の素晴らしさを次の世代に伝えるべく、創立者の「美術を通じての社会貢献」という理念を常に心に抱き、今後も、より多彩な展覧会や地道な研究活動を通じて、学術文化の振興と社会貢献に努めてまいります。

皆様のご来館を心よりお待ち申し上げております。

山種美術館館長 山﨑妙子

プロフィール
慶應義塾大学卒業後、東京藝術大学大学院美術研究科後期博士課程修了。学術博士。
2007年より山種美術財団理事長兼山種美術館館長。